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投資家信頼感は強弱入り混じる局面へ

2021-08-16

■ 8月のSentix投資家信頼感指数では、グローバル総合指数が16カ月ぶりに前月を下回った

■ 新型コロナ感染拡大後の急低下からのリバウンド局面はピークを迎えつつある


   ドイツの調査会社Sentixが8月5日から7日にアナリストや機関投資家を対象としたサーベイを実施し、9日に公表した8月の投資家信頼感指数では、グローバル総合指数が7月の29.4から20.8に低下。同指数は2020年4月(マイナス32.2)から上昇が続いていたが、16カ月ぶりに前月を下回った。世界的な新型コロナウイルス変異株の感染拡大に対する懸念や米金融政策正常化に対する警戒感が背景にあると考えられる。
   現状指数は28.4(前月比3.8ポイント低下)と15カ月ぶりに低下し、先行き指数は13.5(同13.1ポイント低下)と4カ月連続で低下。この先、現状指数については、行動制限やワクチン接種進展などに伴い世界的な新型コロナ感染「第5波」がピークアウトすれば持ち直しも期待できようが、先行き指数については、2022年前半までには米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和縮小を開始する可能性が高いとみられていることを踏まえれば、持続的な改善は見込みづらく、さらなる低下も懸念される。したがって、総合指数でみれば、新型コロナ感染拡大後の急低下からのリバウンド局面がピークを迎えつつあるとみられる。
   金融危機以降、総合指数は2009年11月にプラス圏に浮上すると、その後、新型コロナ感染拡大前までは大半の期間をゼロから20程度のレンジで推移した。足元でも、投資家の景気に対する認識が改善し続ける局面から強弱入り混じる局面に移行しつつあるとみられ、主要国の株価は上値が重くなると想定される。
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