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先進国株:投資判断はやや強気を維持

2021-08-03

■ 新型コロナ変異株が感染拡大しているが、先進国株の予想EPSは増加傾向が保たれている

■ 日本株は予想PERの低下が相対的に大きいが、ワクチン接種の進展により持ち直しを見込む


    7月には、感染力の強い新型コロナウイルス変異株がアジアや欧米を中心に感染拡大し、景気減速懸念から日米欧の主要株価指数が急落する場面がみられた。新規感染者数は、米国や日本では足元においても増加ペースが加速しており、欧州は約3カ月ぶりの水準で高止まりしている。ただ、NYダウ、S&P500、ストックス欧州600の12カ月先予想1株当たり利益(EPS、Bloomberg集計の市場予想コンセンサス)は1カ月前に比べていずれも3.5-3.7%増加している。一方、予想株価収益率(PER)はまちまちではあるが、最も低下したNYダウ(2.3%低下)でもEPSの増加を打ち消すには至っていない。また、欧米の主要先進国はワクチンの普及により経済活動への規制が限定されるとみており、当行は7月末の見直しで、欧米株の投資判断を「やや強気」に据え置いた。
    日本株については、新型コロナワクチン接種の進捗が欧米に比べて遅れていることや内閣支持率の低下などの固有の悪材料が浮上しており、日経平均とTOPIXの予想PERはそれぞれ1カ月前から7.1%、4.4%低下している。よって、欧米株と比べて株価は軟調な展開となっているが、12カ月予想EPSは日経平均が2.0%、TOPIXが2.3%増加しており、増益基調の見通しは保たれている。ワクチン接種の進展に伴いPERの持ち直しも見込まれることから、欧米株と同じく投資判断は「やや強気」を維持した。
    日米欧のいずれにおいても、現時点ではEPSの増加が株価をサポートするというメインシナリオを変える状況にはないとみている。
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