FOMCプレビュー
2021-07-29
■ 今回のFOMCでは金融政策の変更は見込まれておらず、テーパリングを巡る議論が焦点
■ ただ、テーパリングの具体的な指針が示される可能性は低く、市場の反応は限定されよう
米国では27日から連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されており、28日午後2時(日本時間29日午前3時)に声明が公表され、その後パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見を行う。市場参加者の大勢は金融政策の変更は見込んでおらず、焦点は資産買い入れの段階的縮小(テーパリング)を巡る議論となろう。
パウエルFRB議長は14、15日に行われた議会証言において、足元のインフレ加速は「一時的」との見方を示し、雇用についても「(最大雇用までの)道のりは長い」と述べた。そのうえで、物価安定と最大雇用の実現に向けた「一段の顕著な進展」には「程遠い」との認識を示している。加えて、米国内でも新型コロナウイルス変異株の感染が急拡大していることを踏まえれば、同議長は早期の金融緩和縮小に対する慎重姿勢を崩さない公算が大きい。
したがって、テーパリングの議論が始まっていることは明らかにされようが、テーパリングの開始時期やペースなどの具体的な指針が示される可能性は低いと当行はみている。想定通りならば、市場参加者の関心は8月26-28日に開催される米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会議)やFOMCメンバーの経済・金融政策見通しが更新される9月のFOMCに移り、今回のFOMCに対する金融市場の反応は限定されるだろう。