ドル円は6年ぶりの上昇へ
2021-07-27
■ 米長期金利低下に歯止めが掛かるなか目先のドル安?円高は一服し、反発余地を探る展開へ
■ 長期的にもドル高/円安の機運は高まるかどうか、ドル円は111円台後半を再び視野に
東京市場はオリンピック開催で22、23日と祝日休場となったが、好調な米企業決算を背景に欧米株高が進み、米長期金利の低下は一巡。為替市場では、ドル円が19日に109円05銭の安値を付けた後に反転上昇、23日には110円58銭の戻り高値を付けた。足元の米経済指標は強弱まだらで、本日のアジア市場では110円台前半に軟化しているが、7月初旬以降続いたドル安/円高に歯止めが掛かりつつある。チャート上、2日高値111円65銭から19日安値109円05銭の下げ幅に対する半値戻し110円35銭や61.8%戻し110円66銭の上抜けを試しているとみている。
全米経済研究所(NBER)は19日、新型コロナウイルス感染拡大に端を発した景気後退はわずか2カ月で2020年4月に終了したと発表。これまで過去最短だった1980年の6カ月間よりも短く、2020年5月には景気拡大期に入ったと指摘した。まだ、同4月時点で稼働能力が正常化したと結論づけてはいないが、NBERが着目する雇用と生産に関わる指標を踏まえると、景気の谷は同4月であったと判断している。今週発表される4-6月期の実質GDPは前期比年率8.6%増、食品?エネルギーを除くコア個人消費支出デフレーターは前年比3.7%上昇、へ加速すると市場は見込む。
ドル円は短期的のみならず、長期的にもドル高/円安に転じるかどうか注目したい。年足ローソク足は2016年以降5年連続で陰線が続いたが、2021年は年初付けた103円24銭を下回ることなく、足元では110円台前半で推移し陽線が出現している。新型コロナウイルス変異種感染拡大に関わる過度な警戒感が後退すれば、日米の景況感格差や長期金利差が着目されてドル高/円安の基調に戻り、ドル円は7月2日高値111円65銭を再び視野に入れる展開になると予想する。