米企業の4-6月期決算発表プレビュー
2021-07-08
■ EPSの改善基調に一服感がみられる可能性
■ 決算発表が進むにつれて上方修正が入るか注目
13日の金融大手を皮切りに、米S&P500株価指数構成企業の4-6月期決算発表が本格化する。7月最終週から8月第1週にピークを迎える予定で、米国株式市場は週明け以降、各企業の決算内容に一喜一憂する相場展開が想定される。情報会社リフィニティブの集計(7月2日時点)によれば、一株当たり利益(EPS)は前年比65%増と見込まれている。新型コロナ禍の悪影響が深刻化し、EPSは大きく落ち込んだ前年の水準が比較対象となるため大幅な増益に見えるものの、前期比では8%程度低い水準である。昨年7-9月期以降の改善基調に一服感がみられる可能性がある。
一部の米国企業は決算発表により株価が大きく変動しないよう、事前に決算予想を開示する(プレアナウンスメント)。現時点では公表済みの120社のうち、60社が上振れ、47社が下振れ、想定通りが13社と、1-3月期決算時のプレアナウンスメントと同様に上振れが下振れを上回っている。1-3月期を振り返ると、EPSは決算発表直前(4月1日時点)には前年比24.2%増と予想されていたが、87%の企業が事前予想を上回るEPSを発表し、最終的には同52.8%増へと大きく上振れした。4-6月期も決算発表が進むにつれて上方修正される展開となるか注目したい。また、7-9月期以降、2022年いっぱいは前期比増加が見込まれている。企業利益の着実な改善が株価を下支えするとの見方を変える必要はないと考えている。