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欧州株:年内は上昇基調が続く見込み

2021-07-01

■ 欧州ではサービス業の景況感改善が続き、夏のバカンスシーズンでは一段の活況が期待できる

■ 企業業績の回復と金融緩和がサポートとなり、年内は欧州株の上昇基調が続くとみている


    先週発表された6月のユーロ圏総合PMI(速報値)は59.2と、2006年6月以来15年ぶりの高水準となった。製造業PMIは1997年6月の調査開始以来最高となった5月の改定値からは横ばいで、国別ではドイツ(独)が64.9と前月から0.5ポイント上昇した一方、フランス(仏)は58.6と前月から0.8ポイント低下。一方、サービス業は58.0と2018年1月以来の高水準を記録したうえ、独は58.1、仏は57.4といずれも5月から上昇(独は5.3ポイント、仏は0.8ポイント)している。製造業、サービス業、ともに企業景況感は非常に堅調だが、この先の景気回復の原動力という観点では主役が製造業からサービス業に移りつつあるといえよう。
    欧州では、新型コロナウイルスワクチンの接種進展に伴って新規感染者数が減少し、人の移動や経済活動に対する規制緩和が進んできた。こうしたなか、夏のバカンスシーズンが近づいており、一段とサービス業を中心に活況となることが期待できよう。調査会社Refinitivの集計によれば、今年のストックス欧州600構成企業の利益は前年比46.4%増と、米S&P500の同36.9%増を上回る見込み*1であるうえ、欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は足元の物価上昇は一時的との見方からパンデミック緊急購入プログラム終了に関する議論は「時期尚早」としている。新型コロナウイルスの変異株であるデルタ株の感染拡大状況には注意が必要だが、企業業績の回復と金融緩和がサポートとなり、年内はストックス欧州600指数の上昇基調が続くとみている。
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