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FOMC参加者の政策金利・物価予測に注目

2021-06-15

■ テーパリングに向けた議論が交わされたことが示される可能性

■ FOMC参加者の政策金利?物価予測に注目


   今週15、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。労働者の供給制約が雇用の伸びを抑える一方で、経済活動の再開と半導体などの供給制約により物価が押し上げられている経済状況のなか、金融緩和の解除に向けた動きがみられるかが焦点となるだろう。資産購入の段階的縮小(テーパリング)に関して市場では、FOMC参加者の間でテーパリングに向けた議論が交わされたことが示される可能性はあるものの、最大雇用と物価安定の目標に向けた顕著なさらなる進展がみられた後にテーパリングを開始する方針が再確認されることが想定されている。FOMC参加者による市場との対話は比較的上手くいっているように感じられ、こうした見方から大きく外れない限り、市場への影響は限定されよう。
   注目すべきは、FOMC参加者の経済見通し(SEP)である。政策金利見通し(=ドットプロット)に関しては、2023年末の中央値が上方シフトする可能性が指摘される。ただし、金利先物市場では2023年半ば付近の利上げが織り込まれており、FOMCを受けて市場の利上げ想定時期が前倒しされる公算は小さいだろう。インフレ見通しに関しては、2022年、2023年の予想値が上方修正された場合、一時的と説明されている要因が剥落した後の物価水準が上方シフトしたと受け止められ、物価安定の目標に一段と近づくとの思惑が広がりやすくなる可能性がある。今回のFOMCではSEPの変化と市場の反応に注目しておく必要があるだろう。
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