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米失業保険特例給付の期限終了までのタイムライン

2021-06-09

■ 7月10日にかけて失業保険給付期間延長措置は一部で打ち切りに

■ 雇用情勢への影響がはっきりと確認できるのは10月以降か

   先週末に公表された5月の米雇用統計では、旺盛な労働需要に対して供給が追い付いていないことが改めて示された。3月の求人労働異動調査(JOLTS)では求人件数が812万3000件と市場予想(750万件)を大幅に上回り、2000年12月の統計開始以降で最高を記録。本日公表の4月分は830万件とさらなる増加が市場では見込まれている。一方で、5月の労働参加率は61.6%と伸び悩んでおり、労働市場では需要の増加に見合う供給がなされていないことが示唆され、週平均労働時間は34.9時間と高止まりし、平均時給は前年比2.0%増加した。
   雇用回復を阻害している一因として失業保険の特例給付が手厚いことが指摘されており、給付期間の延長(PEUC)に関しては全米50州の半分にあたる25州が9月6日の期限前の打ち切りを決定した。すべて共和党が州知事を務める州で、ミズーリ州など4州が6月12日に打ち切るほか、他の21州も7月10日にかけて順次終了していく。8月にはその影響が出る可能性はあるものの、7月までに打ち切られる特例給付の受給件数は130万件程度と全体(529万件、5月15日時点)の約25%にとどまる。9月6日には残りのPEUC約400万件のほか、自営業者やフリーランス向けの失業保険給付対象拡大措置(PUA)636万件が期限を迎える。雇用情勢への影響がはっきりと確認できるのは、やはり特例給付の期限終了後にあたる10月以降となる公算が大きい。
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