4月の国内投信市場動向:テーマ型投信への投資が増加
2021-05-20
■ 直近では海外株式への投資先として、テーマ型ファンドへの投資が増えている
■ 新型コロナ禍でおなじみとなった「DX」「AI」などに加えて、「ESG」「SDGs」への注目度が高い
そうしたなか、足元ではテーマ型ファンドへの投資が増えている。昨年から続く新型コロナウイルス禍において、「DX(Digital Transformation)」「AI(Artificial Intelligence=人工知能)」などの注目度は依然高い。加えて、直近では「ESG(Environment Social Governance)」と「SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)」に対する注目度が高まっており、海外株式へ投資を検討する際の選択肢となっている。ちなみに、「ESG」と「SDGs」は似た概念だが、前者が企業の成長、後者が政府や企業などを含んだ最終目標となっており、活動主体の範囲が異なる。また、「SDGs」は2015年9月に国際連合で採択されたのに対して、「ESG」に厳密な定義はない。企業目線では、「ESG」に着目して事業を運営できれば、結果的に「SDGs」の達成に貢献できるという位置付けだ。
日本では既に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が少なくとも2018年以降、「ESG」に着目した投資を行っている。その際、GPIFはベンチマークとして複数の株式指数*を選定しており、ここでは、代表的な指数の2017年末からの騰落率(2021年5月17日時点)を確認する。日本株式(円建て)ではTOPIXが5.0%上昇に対して、GPIF選定のESG指数(MSCIジャパン ESGセレクトリーダーズ指数)は19.0%上昇。海外株式(米ドル建て)ではMSCI世界株指数が36.1%上昇に対して、GPIF選定のESG指数(MSCI ACWI ESG Universal指数)は48.4%上昇と、現時点ではESG指数がTOPIXなどの一般的なベンチマークを上回っている。もちろん、今後の環境変化次第で指数が大きく下落する可能性はあるが、「ESG」や「SDGs」は長期投資とも親和性が高いことから、今後も注目していく必要があるだろう。
* 日本株式では総合型2指数?テーマ型3指数、外国株式では総合型とテーマ型1指数ずつ