2021年5月第3週(10~14日)の相場展望
2021-05-10
日本のゴールデンウイークや中国の連休など海外諸国も祝日が多い4月下旬から5月の初旬は、市場取引参加者も減少してか、また経済イベントも少ないことで、FXや株価はやや大人しい動きとなっている。しかし金価格は3か月ぶりに1800ドル台を回復し堅調さが際立ってきた。ドル円も109円台へ上昇したことで、対円では比較的大きな上昇となっている。背景は米国長期金利の落ち着きとドル安傾向と言える。米国長期金利の落ち着きは、FRB委員から幾度となくインフレは一時的で断固として景気や雇用が安定して上昇基調に乗るまで経済を下支えするというふうなコメントが挙げられていることから、ドルは買いづらい展開。しかし欧米株価の上昇やワクチン接種が拡大していることで先行き経済へは明るい予想が見て取れ、リスクオンの円安傾向が続いている。日本国内での金や原油価格は上昇一途となっており、政府が4都府県の5月末までの緊急事態宣言を延長したという不安な国民の心情がデフレをもたらすのを打ち消している状況かと思われる。先週金曜日の米国雇用統計の結果が悪いことで、米金利先物市場では雇用統計を受けFRBの利上げ予想時期が約3カ月先送りされたようで、ドルの下落を加速させた。
ここからの経済や相場動向に関して影響が大きくなると思われるワクチン接種を少し考察していきたい。世界に先駆けて新型コロナウイルスのワクチン接種を開始した南米チリ。明るい兆しが見え始めるはずだった同国で再び感染者数が急増し、厳格な規制が再導入されている。チリの人口は1900万人。政府はパンデミック(世界的大流行)が始まってからわずか数カ月で医薬品会社と合意を取り付け、今年初めの時点で、まだ周辺国で接種も始まらないうちから世界で筆頭級の接種率を達成した。
ここからの経済や相場動向に関して影響が大きくなると思われるワクチン接種を少し考察していきたい。世界に先駆けて新型コロナウイルスのワクチン接種を開始した南米チリ。明るい兆しが見え始めるはずだった同国で再び感染者数が急増し、厳格な規制が再導入されている。チリの人口は1900万人。政府はパンデミック(世界的大流行)が始まってからわずか数カ月で医薬品会社と合意を取り付け、今年初めの時点で、まだ周辺国で接種も始まらないうちから世界で筆頭級の接種率を達成した。
<NHKと日経新聞からの抜粋>






英オックスフォード大学の統計によると、14日現在、チリの人口100人当たりのワクチン接種率は38.94人と、イスラエル(61.58人)、英国(47.51人)に続いて世界で3番目に多く、米国(36.13人)を上回るとは言え、下の図のように全体では接種率が多い国々の新規感染者数は減少傾向となっていると見て取れる。特に米国と英国は、新規感染者数の減少が目立っています。欧州の新規感染者数も4月に入ってから徐々に減少へと向かいつつあり、今後のワクチンVS新型コロナの戦いが気になるところ。他の国に相当で遅れている日本も早く追いついて欲しいもの。インドの最近の感染者数増加は際立っており、不安を増大させるものとなっている。ワクチン接種の遅れた日本の円と新規感染者数増加しているインドの通貨ルピアは双方共に安く推移しているのは、これらが理由であろう。
先にも触れたが、逆に堅調なのは金価格。大きなターゲットとしては、昨年7月高値からの下落トレンドラインが下がってきた1860ドル台。ここを直ぐ捉えるとは思っていない。一応の目安だが、ここを抜けるには少し時間を要するとみている。それは米国の経済統計結果の良さが今後ドルを下支えすると考えているからだ。ワクチン接種によって減少傾向を顕著にしていることや最高値を更新しているダウ平均を持つ米国株の堅調さもドルの下支えとなってくるだろう。やもをすると円安ドル高の目も考えられ、そうなるとドル円112円程度までの上昇まであるかもしれない。金相場は、今週1790ドルから1850ドルのレンジを想定。1840ドルより上は売り圧力が強まると読んでいる。
先にも触れたが、逆に堅調なのは金価格。大きなターゲットとしては、昨年7月高値からの下落トレンドラインが下がってきた1860ドル台。ここを直ぐ捉えるとは思っていない。一応の目安だが、ここを抜けるには少し時間を要するとみている。それは米国の経済統計結果の良さが今後ドルを下支えすると考えているからだ。ワクチン接種によって減少傾向を顕著にしていることや最高値を更新しているダウ平均を持つ米国株の堅調さもドルの下支えとなってくるだろう。やもをすると円安ドル高の目も考えられ、そうなるとドル円112円程度までの上昇まであるかもしれない。金相場は、今週1790ドルから1850ドルのレンジを想定。1840ドルより上は売り圧力が強まると読んでいる。
金の日足チャート


ユーロドルは今年初めからの下落トレンドラインを上に抜けた。先週末の米国雇用統計結果の悪化によるものだが、今日月曜日はユーロ円などの円安を伴ったユーロ買いが散見されている様子。ただ1.22台からは売りが多くなると予想しており、また米国10債金利の低下度合いもテクニカルから見てここからは底堅いと考えており一筋縄ではいかない。シカゴIMMのポジションでは、ドルショートが先週初め時点で今年3月以来の高水準で、短期からは売られすぎという見方も出来る。現時点ではショートが増えているとみられ、そろそろドルの買戻しのタイミングを計っているヘッジファンドや機関投資家も多いのではないだろうか。ユーロドルは1.22台から売りを推奨する。日本の緊急事態宣言の延長が円安要因となっているため、アジア時間は新規感染者数を睨んでの動きとなるだろう。またオリンピック開催も危ういという報道が増えていることも円安要因の一つであり、頭に入れておく必要がある。今週は、アジア時間でユーロドルがユーロ円からの買いによって大きく上昇を見ると、欧米時間でその利食いというパターンが可能性としては高い。ユーロ円は今年の最高値更新中だが、平行型上昇トレンドラインのレジスタンス(上値抵抗レベル)に接近しており、133円から上は重い展開となるだろう。上昇するとしても、133円台からはもみ合いながらの緩やかな動きを想定している。
ユーロドル日足チャート

ユーロ円日足チャート


ユーロ円日足チャート

先週、米国雇用統計やISM指数など注目された経済指標がことごとく予想を下回った経緯があり、米国企業決算発表がほぼ一巡したことで、今週は重要な指標発表は少ないとはいえ、小売売上高やミシガン大学消費者態度指数、また新規失業保険申請件数の発表前後の動きには注意したい。欧州ではEUとドイツでZEW景況感指数、英国ではGDP、鉱工業差生産指数や英国中銀総裁の発言が予定されている。