日本経済見通し(2020~2022年度) –2020年10-12月期GDP2次速報後改定
2021-05-07
日本実質GDP成長率を、2020年度が▲5.0%(21年2月時点予測:▲5.0%)、2021年度が+3.3%(同+3.3%)、22年度が+2.6%(同+2.8%)と予測する。ワクチン効果によって消費持ち直しペースが速まるタイミングの想定を1四半期後ずれ(22年1-3月期→22年4-6月期)させたことから、22年度の予測値を若干下方修正した。
20年10-12月期は前期比年率+11.7%と2四半期連続での二桁成長となり、速いペースで景気の持ち直しが進んでいたことが示された。もっとも、20年末以降の感染者数の急増と緊急事態宣言の発令によりサービス消費が急減していることから、1-3月期はマイナス成長転落が避けられない(前期比年率▲7.2%と予測)。
日本でもワクチン接種が本格化することに期待は集まるが、今後実際に接種を進めていく上で様々な問題が浮上してくることは確実であり、普及には時間がかかるだろう。4-6月期以降は再びプラス成長に戻ると予想するが、しばらくは経済活動と感染拡大抑制のバランスを取りながら進んでいかざるを得ない。様々な制約が残り続けるなか一本調子での回復は難しく、少なくとも21年中は景気の持ち直しペースが抑制される。
一方、22年度の成長率は+2.6%と、コンセンサス(+1.8%)対比で上振れを見込む。ペースは遅いながらもワクチンの接種が進むことで、22年度以降は感染抑制効果が発現すると想定している。抑制されてきたサービス消費が持ち直すことで、22年度には回復ペースが速まると予想される。