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2021年4月最終週(26~30日)の相場展望

2021-04-27

米国10債長期金利が1.5%で膠着状態となっている。新型コロナへのバイデン政権の経済対策で盛り上がった金利は、債券入札が落ち着いて消化されていることと変異ウイルスの拡大を受けて高値からは低下している。またバイデン大統領が打ち出した、2兆円超の超大型インフラ投資も減額意見など多く、実行までは長い道のりとなることが判明。キャピタルゲインへの増税報道に加えて、イエレン財務長官とパウエルFRB総裁の協力タッグでインフレ懸念は一時的で簡単に回避可能だとコメントが相次ぎ、その不安は払しょくへと向かっている流れとなった。これら全体の流れがドル安を後押している。

日本ではここ数週間の地方選挙で自民党が敗退を繰り返しており、菅政権の支持率低下は避けられない。コロナ対策への甘さなどで国民からの反発は多く、株価は海外の動きとは逆にやや軟調気味で為替も円安要因とされる。ドル安に押されてドル円は軟調推移だが、海外の株価上昇と経済指標等などは予想を上回っており、クロス円は堅調推移となっている。

欧州は、ECB理事会では小一時間程度の総会で終了し、これまでの政策を維持した。、ラガルド総裁の記者会見では、現況の政策からの影響を見定めようという結論となりユーロ相場には影響が少なかった。しかし先週の金曜日に発表された欧米英のPMIでは、英国、フランスや欧州全体が予想を大きく上回り、ドイツは若干良かった程度で、米国はほぼ予想通りであった。この結果を受けてユーロは急伸し、2月の高値1.2244から3月安値の1.1703の61.8%戻しを上に抜けて全戻しが視野に入ってきおり、一目均衡表の雲の上限をも突破し、上昇に勢いが出てきた。ただ今年初めからの下落トレンドラインに迫っており、買い持ちから利食いが出てきやすいところでもあり、上昇が一旦止まる可能性もある。越えれば下値不安は遠のき、1.2244を狙う動きとなってくるだろう。下げれば1.2080、1.2045付近のサポートまでの可能性が出てきそうだ。

ユーロドル日足チャート


今週は、28日深夜の米国FOMCが予定されており、政策自体は現在のものを踏襲しそうだが、パウエル総裁の定例記者会見ではインフレ懸念払しょくへのコメントがあるのか、ワクチン接種進行度や雇用への言及などに注目が集まる。日銀金融政策決定会合も予定されているが大きな変動は期待しにくいが、先週から発動された4都道府県への緊急事態宣言についての警戒感が醸し出されるコメントがあれば、やや円安要因とはなるだろう。経済指標では、欧米で1-3月のGDP、米国でシカゴ購買部協会景気指数とミシガン大学消費者態度指数の発表を控える。
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