英国型は感染力こそ強いが、ワクチンは効果を示す
2021-04-22
■ 国内で感染拡大している英国型は、感染力は強いが、ワクチンの無効化は見込まれない
足元の新型コロナ感染拡大は変異株による影響が大きく、厚生労働省のデータ(4月14日公表分)によると、国内事例1141例のうち1076例(94.3%)は英国型が占める。英国型は「N501Y」と呼ばれる変異があり、感染力や重症化リスクについては従来型より高いものの、ワクチンが無効化されるものではないと同省は評価・分析している。なお、英オックスフォード大学が運営するOur World in Dataによれば、英国では、1日当たりの新規感染者数が2021年初に6万8千人程度まで増加したが、4月は概ね2-3千人程度で推移。感染者の大半が従来型と英国型が占めるイスラエルでも、ピーク時の約2%程度まで急減している。4月19日時点で英国のワクチン接種率(少なくとも1回)は48.5%、イスラエルは61.8%となっており、日本においても、事態を根本的に好転させる鍵を握るのはワクチン接種の進展といえよう。
現在、日本政府が承認しているのは米製薬大手と独バイオ製薬ベンチャーが共同開発したものに限られていることもあり、国内でのワクチン接種は諸外国に比べて大幅に遅れている(4月19日時点の接種率は1.0%)。しかし、先日の日米首脳会談を経て、現在承認されているワクチンの追加供給が決まり、9月中に全対象者(16歳以上)に必要な数量を供給するメドが立ったと菅首相が明らかにした。依然として接種のスケジュールは明らかにされておらず、全国民がワクチン接種を完了するのは来春頃まで時間を要すとの指摘もあるが、英国やイスラエルの現状に鑑みれば、50%前後の接種率でも感染拡大抑制の効果が顕在化するとみられる。当面は、新型コロナ変異種の感染拡大や緊急事態宣言の発令により国内景気に対する悲観が強まりやすいと考えるが、宣言の解除やワクチン接種ペースが加速し始めれば、景況感に明るさが出てくるのではないだろうか。
■ ワクチン接種のスケジュールは不透明だが、ペースが加速し始めれば、悲観は後退しよう
足元の新型コロナ感染拡大は変異株による影響が大きく、厚生労働省のデータ(4月14日公表分)によると、国内事例1141例のうち1076例(94.3%)は英国型が占める。英国型は「N501Y」と呼ばれる変異があり、感染力や重症化リスクについては従来型より高いものの、ワクチンが無効化されるものではないと同省は評価・分析している。なお、英オックスフォード大学が運営するOur World in Dataによれば、英国では、1日当たりの新規感染者数が2021年初に6万8千人程度まで増加したが、4月は概ね2-3千人程度で推移。感染者の大半が従来型と英国型が占めるイスラエルでも、ピーク時の約2%程度まで急減している。4月19日時点で英国のワクチン接種率(少なくとも1回)は48.5%、イスラエルは61.8%となっており、日本においても、事態を根本的に好転させる鍵を握るのはワクチン接種の進展といえよう。
現在、日本政府が承認しているのは米製薬大手と独バイオ製薬ベンチャーが共同開発したものに限られていることもあり、国内でのワクチン接種は諸外国に比べて大幅に遅れている(4月19日時点の接種率は1.0%)。しかし、先日の日米首脳会談を経て、現在承認されているワクチンの追加供給が決まり、9月中に全対象者(16歳以上)に必要な数量を供給するメドが立ったと菅首相が明らかにした。依然として接種のスケジュールは明らかにされておらず、全国民がワクチン接種を完了するのは来春頃まで時間を要すとの指摘もあるが、英国やイスラエルの現状に鑑みれば、50%前後の接種率でも感染拡大抑制の効果が顕在化するとみられる。当面は、新型コロナ変異種の感染拡大や緊急事態宣言の発令により国内景気に対する悲観が強まりやすいと考えるが、宣言の解除やワクチン接種ペースが加速し始めれば、景況感に明るさが出てくるのではないだろうか。