3月の国内投信市場動向:旺盛な投資需要を確認
2021-04-12
■ 国内投資家は、海外株式を中心に幅広く資金を振り分けている状況が確認された
個別ファンドの動向を確認すると、資金流入上位25ファンドのうち海外株式へ投資するファンドは17ファンドであり、そのうちグロースセクターへの投資が想定されるファンドは13ファンドだった。前月までと比較しても、国内投資家は海外グロース株への選好を維持している様子が見て取れる。なお、先進国株式のグロース株指数とバリュー株指数(いずれもMSCI指数、米ドル建て)を3月末時点の年初来騰落率で比較すると、前者がプラス0.1%と伸び悩んだ一方、後者はプラス8.9%と、今年の1-3月期に限ると明確に「バリュー株優位」の相場展開だったことがわかる。こうした直近の市場環境を踏まえると、国内投資家のグロース株に対する選好姿勢は腰が据わっており、リスク許容度の高さがうかがえる。
今回検討したいのは、為替ヘッジの有無についてである。3月単月の動向をみると、海外株式ファンドへの資金流入額のうち、90%超が為替ヘッジなしのファンドへ集中している。1-3月期の外国為替市場は円全面安だったため、「為替ヘッジなしで円から海外資産へ投資」する行動は収益を伸ばす結果となっている。ドル円を例にとると、為替変動だけで約7%収益がプラスされた計算(3月末時点)になる。一方、こうした為替変動によるリターンの振れ幅を無くしたい場合は、為替ヘッジ付での投資も有意義な選択肢となる。一般的に、為替ヘッジコスト(プレミアム)は2通貨間(ドル円なら米金利と円金利)の短期金利差が主な基準になる。そして、米短期金利は昨年末時点と比較して、米長期金利の動きに反して一段と低下しており、3月末時点で円からドルに対する為替ヘッジコストは0.3%台(年率換算)と歴史的な低水準にある。主要先進国は2023年まで政策金利を現状維持とする可能性が高く、為替ヘッジ付での投資も、ポートフォリオのリスク削減という観点からは検討の余地があると筆者は考える。
■ 海外資産への投資では、リスク削減の一環として為替ヘッジ付での投資も検討の余地がある
個別ファンドの動向を確認すると、資金流入上位25ファンドのうち海外株式へ投資するファンドは17ファンドであり、そのうちグロースセクターへの投資が想定されるファンドは13ファンドだった。前月までと比較しても、国内投資家は海外グロース株への選好を維持している様子が見て取れる。なお、先進国株式のグロース株指数とバリュー株指数(いずれもMSCI指数、米ドル建て)を3月末時点の年初来騰落率で比較すると、前者がプラス0.1%と伸び悩んだ一方、後者はプラス8.9%と、今年の1-3月期に限ると明確に「バリュー株優位」の相場展開だったことがわかる。こうした直近の市場環境を踏まえると、国内投資家のグロース株に対する選好姿勢は腰が据わっており、リスク許容度の高さがうかがえる。
今回検討したいのは、為替ヘッジの有無についてである。3月単月の動向をみると、海外株式ファンドへの資金流入額のうち、90%超が為替ヘッジなしのファンドへ集中している。1-3月期の外国為替市場は円全面安だったため、「為替ヘッジなしで円から海外資産へ投資」する行動は収益を伸ばす結果となっている。ドル円を例にとると、為替変動だけで約7%収益がプラスされた計算(3月末時点)になる。一方、こうした為替変動によるリターンの振れ幅を無くしたい場合は、為替ヘッジ付での投資も有意義な選択肢となる。一般的に、為替ヘッジコスト(プレミアム)は2通貨間(ドル円なら米金利と円金利)の短期金利差が主な基準になる。そして、米短期金利は昨年末時点と比較して、米長期金利の動きに反して一段と低下しており、3月末時点で円からドルに対する為替ヘッジコストは0.3%台(年率換算)と歴史的な低水準にある。主要先進国は2023年まで政策金利を現状維持とする可能性が高く、為替ヘッジ付での投資も、ポートフォリオのリスク削減という観点からは検討の余地があると筆者は考える。