バリュー株の優位性はいまだ不安定
2021-03-29
■ バリュー株優位の背景にある業績改善期待には不確実性を伴う
S&P500バリュー株指数とグロース株指数の四半期ごとの一株当たり利益(EPS)をみると、グロース株に関しては(1)新型コロナ禍による落ち込みが相対的に小さかった、(2)昨年4-6月期に早くも底打ちした、(3)新型コロナ禍直前の2019年10-12月期の水準をすでに回復した、ことが確認でき、ファンダメンタルズの改善がグロース株の上昇に寄与したことがわかる。一方でバリュー株は、大きく落ち込んだあと昨年7-9月期に底打ちし、持ち直しも緩やか。新型コロナ禍前の水準を回復するのは今年10-12月期と見込まれている。経済対策などによる景気回復期待が下支えにはなるものの、ワクチン普及による経済活動正常化への期待には不確実性を伴う。
ワクチン接種の先行事例として注目されるイスラエルでは、ワクチン接種により免疫を獲得した人の割合は全人口の約54%*1に達し、1月に1万人を超えていた一日当たり新規感染者数は25日時点で683人*2に減少している*2。全面的な都市封鎖(ロックダウン)に頼らず、ワクチン普及により感染封じ込めに成功しているようにみえる。アメリカは13%程度*1で、夏場には半数を超えるペースで接種が進んでいるが、それまでは変異種への不安も含め新型コロナの感染拡大懸念はくすぶる恐れがある。実際、5%*1に満たないイタリア?フランスでは3度目のロックダウンに入った。ドイツでも復活祭期間中の厳格化が発表され、経済界の強い反対により撤回されたものの、経済活動正常化までには紆余曲折がありそうだ。米国株式市場でも当面は新型コロナがバリュー株の足かせとなる可能性を認識しておくべきだろう。
■ 当面は新型コロナのワクチン普及や変異種への不安がバリュー株の足かせとなる可能性も
S&P500バリュー株指数とグロース株指数の四半期ごとの一株当たり利益(EPS)をみると、グロース株に関しては(1)新型コロナ禍による落ち込みが相対的に小さかった、(2)昨年4-6月期に早くも底打ちした、(3)新型コロナ禍直前の2019年10-12月期の水準をすでに回復した、ことが確認でき、ファンダメンタルズの改善がグロース株の上昇に寄与したことがわかる。一方でバリュー株は、大きく落ち込んだあと昨年7-9月期に底打ちし、持ち直しも緩やか。新型コロナ禍前の水準を回復するのは今年10-12月期と見込まれている。経済対策などによる景気回復期待が下支えにはなるものの、ワクチン普及による経済活動正常化への期待には不確実性を伴う。
ワクチン接種の先行事例として注目されるイスラエルでは、ワクチン接種により免疫を獲得した人の割合は全人口の約54%*1に達し、1月に1万人を超えていた一日当たり新規感染者数は25日時点で683人*2に減少している*2。全面的な都市封鎖(ロックダウン)に頼らず、ワクチン普及により感染封じ込めに成功しているようにみえる。アメリカは13%程度*1で、夏場には半数を超えるペースで接種が進んでいるが、それまでは変異種への不安も含め新型コロナの感染拡大懸念はくすぶる恐れがある。実際、5%*1に満たないイタリア?フランスでは3度目のロックダウンに入った。ドイツでも復活祭期間中の厳格化が発表され、経済界の強い反対により撤回されたものの、経済活動正常化までには紆余曲折がありそうだ。米国株式市場でも当面は新型コロナがバリュー株の足かせとなる可能性を認識しておくべきだろう。