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NZ中銀の2月会合に注目

2021-02-09

■ ニュージーランドの雇用は回復、物価は上昇しているが、賃金の伸びは高まらず

■ ニュージーランド中銀は2月の会合で政策金利据え置きの公算が大きい


    ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)は昨年11月11日の金融政策会合で政策金利を0.25%、資産買い入れプログラム(LSAP)の規模を1000億NZドルに据え置く一方、新たな資金供給プログラム(FLP)を同12月に開始すると発表した。声明では、「物価?雇用目標の達成に向けて、景気刺激策を長期にわたり維持する必要がある」としたが、オア総裁は会見で「(FLPは)政策金利を0.1%に引き下げるよりも、金利への影響が大きい」として、銀行の資金調達コスト低下を通じて、低利融資枠の拡充を目指す姿勢を示した。
    先週発表された昨年10-12月期の失業率は4.9%と前期から0.4ポイント改善、就業者数は前期比0.6%増と3四半期ぶりに増加した。労働市場は回復しつつあるようにみえるが、労働コスト指数は前年比1.5%上昇と3四半期連続で伸びが鈍化しており、賃金インフレが高まる兆しはみられない。昨年10-12月期の消費者物価指数(CPI)も前年比1.4%上昇と市場予想を上回る伸びとなったが、物価高は新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため海外旅行が制限されるなか、国内旅行が人気となったことによる宿泊費や、低金利を背景とした住宅価格の高騰が背景にある。
   こうしたなか、RBNZは2月24日に今年最初の政策会合を開く。前回会合(昨年11月11日)では、「現行の政策金利は2021年3月まで維持する」との方針を示しており、新たな指針が示されるかどうか注目される。CPIはRBNZの物価目標(1-3%)内で推移しており、マイナス金利導入の可能性は後退したと判断される。昨年7-9月期の実質GDPは前期比14.0%増と過去最大の伸びを記録し、新型コロナウイルスの感染抑制に成功したことを示唆(同10-12月期については3月18日発表)。市場では早期引き締め観測すら浮上しているが、足元の雇用と物価に鑑みれば、政策金利は当面0.25%に据え置かれると当行は予想する。
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