豪中銀は人口増加率の鈍化を懸念
2021-02-05
■ 豪中銀は2月理事会で政策金利を据え置き、債券購入策の延長を発表
理事会決定の翌日行われた講演でロウRBA総裁は、豪州の新型コロナへの対応はこれまでのところ成功しており、想定以上に回復は進んでいるものの、「まだ先は長い」と述べた。RBAの中心シナリオでは、今年と来年の成長率は3.5%程度に安定し、GDPは今年半ばに新型コロナ前の水準に回復する。だが、2021年の人口増加率は第1次世界大戦後最低の0.2%へ急激に鈍化するとみており、経済が過去の成長軌道へ戻るには時間がかかると懸念を示した。このため、失業率は年末に約6%へ改善する予想だが、賃金や物価への下押し圧力は根強いとRBAは認識している。足元の雇用や物価が改善するなか、RBAの強い慎重姿勢には違和感があったものの、人口問題が背景にあったことが総裁の講演からうかがえた。今後、新型コロナの流行が収束し、国境が解放されても、RBAは物価や雇用の先行きに警戒感をしばらく緩めず、緩和的な政策を長く続ける可能性が高いといえよう。
■ ロウ総裁は人口増加率の鈍化が賃金?物価への下押しになることを懸念
理事会決定の翌日行われた講演でロウRBA総裁は、豪州の新型コロナへの対応はこれまでのところ成功しており、想定以上に回復は進んでいるものの、「まだ先は長い」と述べた。RBAの中心シナリオでは、今年と来年の成長率は3.5%程度に安定し、GDPは今年半ばに新型コロナ前の水準に回復する。だが、2021年の人口増加率は第1次世界大戦後最低の0.2%へ急激に鈍化するとみており、経済が過去の成長軌道へ戻るには時間がかかると懸念を示した。このため、失業率は年末に約6%へ改善する予想だが、賃金や物価への下押し圧力は根強いとRBAは認識している。足元の雇用や物価が改善するなか、RBAの強い慎重姿勢には違和感があったものの、人口問題が背景にあったことが総裁の講演からうかがえた。今後、新型コロナの流行が収束し、国境が解放されても、RBAは物価や雇用の先行きに警戒感をしばらく緩めず、緩和的な政策を長く続ける可能性が高いといえよう。