9月第1週の相場展望 (8月31日~9月4日)
2020-08-31
先週は、木曜日のジャクソンホールでのパウエルFRB総裁の会見と金曜日の安倍首相の辞任報道でドル円が比較的大きく動いた相場だった。比較的ドルショートが積みあがっていたために、パウエルFRB総裁の会見ではドル買いと安倍首相の体調不良で円売りも重なり円売りとなり、ドル円は大きく上昇することになった。しかし、安倍首相の記者会見を挟んでドル円単独では利食いとなって、結局107円は付くことなく下落し105円台で終わった。結局、上げた分下げたことでレンジ幅を突破することは上下ともなかった。金曜日午後の記者会見で安倍首相が辞任を表明したことで、アベノミクスから経済運営が乖離するとの懸念があり、105円台前半まで下落した。短期的にはレンジ幅は拡張し105円を割り込んでいく一時的な可能性を考えていく必要が出てきた。首相の変更で政局が動いたとしても、日銀の金融緩和に影響を及ぼすとは考えにくく、日本政府も円高を防ぎたいのは変わらない。もしそうなっても、104円以下などの円高水準が長く維持されるような動きまではいかないと考えるし、円主体ではなくドル主体の動きは続くだろう。
今後もしばらくの間、米国大統領選挙時にはある程度の上げ下げはあるだろうが、それまでのドル円相場は「円高リスクが上がってきてもそうはならない」という煮え切らない値動きが継続、明確な方向感の出ない展開が続きそうだ。市場の群集心理が「ドル安一辺倒」に傾斜し続けた7月下旬、ドル円相場は104円を割り込むような動きもあったがそれにも耐えて戻し、結局は105円以下の水準は短期で終えた。また日米ともにコロナ不況からの景気回復の安定性に不安を抱えている環境下では、ドル金利が上がりづらく大きくドル高、円安も進みそうもない。1ドル110円を越えておく可能性は低いとしか言いようがないだろう。中心のコアレンジは103~110円だが、その中でも滞留時間が長いのは104~107円となりそうだと考えている。
米国ダウ平均はこのところ上昇基調が継続しており、史上高値奪回を伺っているようだ。金曜日にトランプ大統領は、新型コロナウイルスへの新たな経済対策について、上院共和党案に3000億ドル上乗せした1兆3000億ドル規模であれば受け入れる用意があるとの見方を示したことで米株全般が上昇している。現在は高値まで900ドル程度まで接近しているから、新経済対策を背景に9月相場で高値を捉えるかどうか見もの。ただし、株価収益率(PER)からみると、ここ10年での高い数値(約28倍)となっていて過熱感を示す指標もあり、上値追いには注意が必要であろう。

オーストラリア円は、このところ高値もみ合いとなっていたが、先週末に直近の高値を捉え上値追いとなっており、買い継続への期待が膨らむ。テクニカルからは25日移動平均線の上での推移が続いており、割り込んでも一時的で回復が早い。80円程度までは大きな抵抗レベルが見て取れないこともあり、今週のGDP発表で上昇加速となるか注目したい。中国のPMIや次期首相を踏まえた日本の総裁選の影響も少なからずありそうだ。

(今週の注目イベント)
・中国Caixin製造業PMI
・オーストラリア政策金利、4-6月GDP
・欧州各国(ドイツ、フランス、EU +英国)のPMI改定値
・米国雇用統計、ISM製造業景況指数
今後もしばらくの間、米国大統領選挙時にはある程度の上げ下げはあるだろうが、それまでのドル円相場は「円高リスクが上がってきてもそうはならない」という煮え切らない値動きが継続、明確な方向感の出ない展開が続きそうだ。市場の群集心理が「ドル安一辺倒」に傾斜し続けた7月下旬、ドル円相場は104円を割り込むような動きもあったがそれにも耐えて戻し、結局は105円以下の水準は短期で終えた。また日米ともにコロナ不況からの景気回復の安定性に不安を抱えている環境下では、ドル金利が上がりづらく大きくドル高、円安も進みそうもない。1ドル110円を越えておく可能性は低いとしか言いようがないだろう。中心のコアレンジは103~110円だが、その中でも滞留時間が長いのは104~107円となりそうだと考えている。
米国ダウ平均はこのところ上昇基調が継続しており、史上高値奪回を伺っているようだ。金曜日にトランプ大統領は、新型コロナウイルスへの新たな経済対策について、上院共和党案に3000億ドル上乗せした1兆3000億ドル規模であれば受け入れる用意があるとの見方を示したことで米株全般が上昇している。現在は高値まで900ドル程度まで接近しているから、新経済対策を背景に9月相場で高値を捉えるかどうか見もの。ただし、株価収益率(PER)からみると、ここ10年での高い数値(約28倍)となっていて過熱感を示す指標もあり、上値追いには注意が必要であろう。

オーストラリア円は、このところ高値もみ合いとなっていたが、先週末に直近の高値を捉え上値追いとなっており、買い継続への期待が膨らむ。テクニカルからは25日移動平均線の上での推移が続いており、割り込んでも一時的で回復が早い。80円程度までは大きな抵抗レベルが見て取れないこともあり、今週のGDP発表で上昇加速となるか注目したい。中国のPMIや次期首相を踏まえた日本の総裁選の影響も少なからずありそうだ。

(今週の注目イベント)
・中国Caixin製造業PMI
・オーストラリア政策金利、4-6月GDP
・欧州各国(ドイツ、フランス、EU +英国)のPMI改定値
・米国雇用統計、ISM製造業景況指数