8月第3週の相場展望
2020-08-17
先週、ドル相場は全般に軟調推移となったが、対ドル商品はまちまちの展開であった。ユーロやポンド、豪ドルなどの通貨はやや堅調で、円は安いという動き。欧州は、他の国々と比較して景気回復傾向が強く出ており、それが通貨への買いとなって表れている。ただユーロ圏4-6月期GDP改定値と就業者数は、予想内の結果であったが過去最大の落ち込みを記録したことでユーロはやや上昇程度で終わっている。対して英国は、入国者の隔離を義務付ける対象国を拡大したことで不安が募る中、経済対策への期待が高まっている模様。
オーストラリアでは、雇用統計での就業者数の増加を受けて豪ドルが堅調推移を維持している。高値もみ合いが続いている豪ドルへの買いは続いており、利食いとの間で小動きとなった。今年に入ってからは、日本勢が豪ドル円への投資態度を強めており、今年5月は過去最大の買い越しとなっている。背景は、米国と豪国の10年債金利の逆転したことにある。豪国の金利は、主要先進国の中で最も高くなる時期があった。しかし気になる点もあり、一足早く新型コロナウィルス感染者の増加を抑えられている中国の経済持ち直しが輸出産業へ恩恵を与えているが、親米のモリソン首相が対中姿勢を硬化させていることが気がかりとなっている。対中国では、首相が中国へコロナ調査への協力を強く求めたことで、中国側が反発し牛肉輸入制限などの報復措置をとっている。このような悪材料を伴っていても、高値でもみ合いを継続させているのは、相場としては強い証拠。テクニカルからは、25日移動平均線が下向きに変化しそうになったが、その後切り返し上昇形状を保っている。その25日移動平均線を下回らずに推移となると、2011年から始まった下落相場からの転換点を迎えそうで、最後の下落の波動が2年間続いていたが、その高値からの61.8%戻しを達成していることで、約10年に渡る下落相場の終焉を迎えたと捉えられる。今後は2017年の下落が顕著になったダブルトップ形状の安値、0.7491付近をターゲットにじり高基調を予想する。もう一つ付け加える理由があるとすれば、金価格の上昇に伴い多くの鉱物商品価格が上昇していることも理由の一つに挙げられそうである。オーストラリアは金の産出量が世界第2位であり、その他の鉱物資源の生産も行っており輸出産業の割合の多くを占めている。
鉱物価格上昇をリードしている金相場であるが、先週は米国債券利回りが上昇したことを受けて、利食い先行の動きとなり大きな下落となった。高値は8月7日に付けた2064ドルで、12日には1822ドル台まで大きく下落し、1943ドル付近まで戻して週を終えている。そもそも7月後半からの上昇が早すぎたことで、節目の2000ドルを付けたことで利食いを待っていた投資家が多かったはずで、それが米国金利回り上昇をきっかけに売りに回ったという訳である。調整幅は大きいが、まだ25日移動平均線の水準を一瞬下回ったくらいで、週末は線より上に回復しており、また同平均線自体も上向きのまま推移している。上昇トレンドラインは1822ドルでも下回ることなく、トレンドラインは未だ有効であり調整の中での動きと捉えられる。その利食いのきっかけとなった米国債券であるが、財務省としては新型コロナウィルス対策費の調達が必要となっており、そのため先週は国債の入札が急増したことが原因だ。先週は3年物の短期債が中心であったが、今後は長期債にまで及ぶ方針を示しており、現在与野党でなかなか議論が進まない新経済対策がもし合意すれば入札度合いは益々増加するはずで、債券入札スケジュールを確認していくことは相場を読むうえでも必須となろう。

(今週の注目イベント)
19日(水) 米国FOMC議事要旨
20日(木) 米国新規失業保険申請件数
8月フィラデルフィア連銀製造業指数
21日(金) 欧州各国、米国 - 8月PMI景気指数
今週は、新型コロナウィルス第2次感染の最中で影響があると思われることで、金曜日に発表される各国のPMI景気指数に注目が集まりそう。
オーストラリアでは、雇用統計での就業者数の増加を受けて豪ドルが堅調推移を維持している。高値もみ合いが続いている豪ドルへの買いは続いており、利食いとの間で小動きとなった。今年に入ってからは、日本勢が豪ドル円への投資態度を強めており、今年5月は過去最大の買い越しとなっている。背景は、米国と豪国の10年債金利の逆転したことにある。豪国の金利は、主要先進国の中で最も高くなる時期があった。しかし気になる点もあり、一足早く新型コロナウィルス感染者の増加を抑えられている中国の経済持ち直しが輸出産業へ恩恵を与えているが、親米のモリソン首相が対中姿勢を硬化させていることが気がかりとなっている。対中国では、首相が中国へコロナ調査への協力を強く求めたことで、中国側が反発し牛肉輸入制限などの報復措置をとっている。このような悪材料を伴っていても、高値でもみ合いを継続させているのは、相場としては強い証拠。テクニカルからは、25日移動平均線が下向きに変化しそうになったが、その後切り返し上昇形状を保っている。その25日移動平均線を下回らずに推移となると、2011年から始まった下落相場からの転換点を迎えそうで、最後の下落の波動が2年間続いていたが、その高値からの61.8%戻しを達成していることで、約10年に渡る下落相場の終焉を迎えたと捉えられる。今後は2017年の下落が顕著になったダブルトップ形状の安値、0.7491付近をターゲットにじり高基調を予想する。もう一つ付け加える理由があるとすれば、金価格の上昇に伴い多くの鉱物商品価格が上昇していることも理由の一つに挙げられそうである。オーストラリアは金の産出量が世界第2位であり、その他の鉱物資源の生産も行っており輸出産業の割合の多くを占めている。

鉱物価格上昇をリードしている金相場であるが、先週は米国債券利回りが上昇したことを受けて、利食い先行の動きとなり大きな下落となった。高値は8月7日に付けた2064ドルで、12日には1822ドル台まで大きく下落し、1943ドル付近まで戻して週を終えている。そもそも7月後半からの上昇が早すぎたことで、節目の2000ドルを付けたことで利食いを待っていた投資家が多かったはずで、それが米国金利回り上昇をきっかけに売りに回ったという訳である。調整幅は大きいが、まだ25日移動平均線の水準を一瞬下回ったくらいで、週末は線より上に回復しており、また同平均線自体も上向きのまま推移している。上昇トレンドラインは1822ドルでも下回ることなく、トレンドラインは未だ有効であり調整の中での動きと捉えられる。その利食いのきっかけとなった米国債券であるが、財務省としては新型コロナウィルス対策費の調達が必要となっており、そのため先週は国債の入札が急増したことが原因だ。先週は3年物の短期債が中心であったが、今後は長期債にまで及ぶ方針を示しており、現在与野党でなかなか議論が進まない新経済対策がもし合意すれば入札度合いは益々増加するはずで、債券入札スケジュールを確認していくことは相場を読むうえでも必須となろう。

(今週の注目イベント)
19日(水) 米国FOMC議事要旨
20日(木) 米国新規失業保険申請件数
8月フィラデルフィア連銀製造業指数
21日(金) 欧州各国、米国 - 8月PMI景気指数
今週は、新型コロナウィルス第2次感染の最中で影響があると思われることで、金曜日に発表される各国のPMI景気指数に注目が集まりそう。