12月第3週の相場展望(12月13日~12月17日)
2021-12-13
先週はオミクロン株の懸念が後退する局面でリスクオンの相場つきとなり、ドル高、株高傾向となった。米国10年債利回りはやや上昇しているが、株高を鑑みても1.4%台に留まっており、大きくは上昇していない。ドル相場もその推移に連れて小動きとなった。ドル円は下値サポートが強くやや堅調、ユーロドルは安値直前でのもみあい症状で、ポンドドルは軟調推移が続いている。
英国ではオミクロン株の感染者数が累計で400人を超えており、一日1000人を超ええた可能性もあるということから、オミクロン株の拡大感染を制御するため行動制限を取り始めたことが背景だ。英国のジョンソン首相は、自身が一度新型コロナに感染しており身を持って感じているのか、他の国と比較してコロナに対する反応や行動が早いように感じられる。しかし英国の感染者数はあまり減少しておらず、夏場からは3万人から5万人の新規感染者数を保っている。また同国では感染者は延べ1千万人を超えている。ロックダウンも条件によって違うが、通常の職場では5回も繰り返されており、またワクチンの接種率も他国とは比較的上位にも関わらず、感染者の減少が見られないことも迅速な判断理由となっているようだ。感染者数に関しては、検査数からの影響で大きく変わるので簡単な結論付けは出来ないが、死者は14万人以上に及んでおり、日本は人口が英国の倍なのに2万人を下回るとなると大きな差があるように思える。欧州や米国も英国に近い割合で感染者が推移しているが、国民生活への制限はまちまちであるから、国単位で今後の経済活動を見極めるのが非常に難しい。
国が行動制限等をほぼ指示せず、国民の意思に任せている日本での現在の感染者減少はとても奇特に思えるが、各自が日頃から責任ある行動制限を自ら課しているのが、大きな理由の一つと感じている。災害時もそうだがパンデミックやカタストロフィーに対しては、強靭な耐久性を持っているのは間違いなさそうだ。次はそれをバウンスバック(ゴルフ用語で失敗したホールの後に取り返すこと)として経済が倍化して伸びるように繋いで欲しいと望んでいる。ただ保守的に守っている間はなかなか伸ばすようには行動しない、という原理もまたパンデミック回避に繋がるから、日本経済にとっては何ともやきもきするパターンは続く。そこで今後政府のリーダーシップでここをどうこじ開けるのか、岸田政権次第であろう。しかし金融所得税制への動きにガッカリなのは私だけであろうか? そんなことしなくても累進課税をやや進め、原油価格の変化に反比例する50%の税課税額を上下させて価格を安定的にするスキームの作成、プラットフォーマーへの課税と400兆以上の会社保有の現金である内部留保への課税でほぼ日本の経済は簡単に潤ってしまうと思うのだが、 何を迷うことがあるというのだろうか。給与上昇への控除なんてやっても、きつい企業は行動できない。消費増税によってきつい思いをしているのは、論理的には富裕層だが実質的には低所得者であり、累進課税を歴史的に徐々に低下させてくるから格差が大きくなる。金融所得税を上げてしまうと、海外勢は日本に投資しなくなり年金運用割合を上げた日本株は上がらない=年金の減少に繋がっていくなどなど。。。上げればキリがない。最低でもメタプラットフォーマーやグーグル、アマゾンへの課税は行ってもらいたいものだ。メタバースは税金を上手に回避する可能性が大きくなると個人的には考えており、政府は課税措置の準備を真剣に検討するべきであろう。自国民が自身の自由意志と判断により耐えて感染者を減らしている、という国民意識の高さに政府が甘えてはいけない、これ以上腰の上がらない重い政府をおんぶしてはいられないと、つくづく思う年の瀬となった。
さて、昨年の5月に安値1.1409を付けた後から上昇に転じたポンドドルは、今年の5月に1.4247の高値まで上り詰めたあと、下落に転じている。今年は総じて下落相場となった。基本的にはドル高による下落と見ているが、長期的には押し目の最初のサポート水準まで下げてきている。前述の高安値の38.2%戻しが1.3160付近で一旦サポートされそうなレベルである。直近数週間で300ポイントほど低下し行き過ぎ感も出てきていること、年末でありドル高の調整の可能性があることなどでやや戻りを試す展開を考えている。上のターゲットは、現在じりじりと下落基調にある25日移動平均線(青線)付近であり、ここをクリアーすることで下値不安が減少するであろう。逆に同線を上抜けしない間は下値模索が継続する可能性もありそうだ。
ポンドドル日足チャート

今週は何と言っても、欧米英の3大中銀イベントの政策金利委員会が中心。中でも米国のFOMCでは、直近の物価高から更なるテーパリング縮小への踏み込みがあるのか。英国はオミクロン株などコロナ感染者の増加でロックダウン途中となっており、その影響は如何なものであろうか。ECBは今後も緩和を継続していくのか、限定的な期日へのコメントなどがあるのか注目となる。
国が行動制限等をほぼ指示せず、国民の意思に任せている日本での現在の感染者減少はとても奇特に思えるが、各自が日頃から責任ある行動制限を自ら課しているのが、大きな理由の一つと感じている。災害時もそうだがパンデミックやカタストロフィーに対しては、強靭な耐久性を持っているのは間違いなさそうだ。次はそれをバウンスバック(ゴルフ用語で失敗したホールの後に取り返すこと)として経済が倍化して伸びるように繋いで欲しいと望んでいる。ただ保守的に守っている間はなかなか伸ばすようには行動しない、という原理もまたパンデミック回避に繋がるから、日本経済にとっては何ともやきもきするパターンは続く。そこで今後政府のリーダーシップでここをどうこじ開けるのか、岸田政権次第であろう。しかし金融所得税制への動きにガッカリなのは私だけであろうか? そんなことしなくても累進課税をやや進め、原油価格の変化に反比例する50%の税課税額を上下させて価格を安定的にするスキームの作成、プラットフォーマーへの課税と400兆以上の会社保有の現金である内部留保への課税でほぼ日本の経済は簡単に潤ってしまうと思うのだが、 何を迷うことがあるというのだろうか。給与上昇への控除なんてやっても、きつい企業は行動できない。消費増税によってきつい思いをしているのは、論理的には富裕層だが実質的には低所得者であり、累進課税を歴史的に徐々に低下させてくるから格差が大きくなる。金融所得税を上げてしまうと、海外勢は日本に投資しなくなり年金運用割合を上げた日本株は上がらない=年金の減少に繋がっていくなどなど。。。上げればキリがない。最低でもメタプラットフォーマーやグーグル、アマゾンへの課税は行ってもらいたいものだ。メタバースは税金を上手に回避する可能性が大きくなると個人的には考えており、政府は課税措置の準備を真剣に検討するべきであろう。自国民が自身の自由意志と判断により耐えて感染者を減らしている、という国民意識の高さに政府が甘えてはいけない、これ以上腰の上がらない重い政府をおんぶしてはいられないと、つくづく思う年の瀬となった。
さて、昨年の5月に安値1.1409を付けた後から上昇に転じたポンドドルは、今年の5月に1.4247の高値まで上り詰めたあと、下落に転じている。今年は総じて下落相場となった。基本的にはドル高による下落と見ているが、長期的には押し目の最初のサポート水準まで下げてきている。前述の高安値の38.2%戻しが1.3160付近で一旦サポートされそうなレベルである。直近数週間で300ポイントほど低下し行き過ぎ感も出てきていること、年末でありドル高の調整の可能性があることなどでやや戻りを試す展開を考えている。上のターゲットは、現在じりじりと下落基調にある25日移動平均線(青線)付近であり、ここをクリアーすることで下値不安が減少するであろう。逆に同線を上抜けしない間は下値模索が継続する可能性もありそうだ。
ポンドドル日足チャート

今週は何と言っても、欧米英の3大中銀イベントの政策金利委員会が中心。中でも米国のFOMCでは、直近の物価高から更なるテーパリング縮小への踏み込みがあるのか。英国はオミクロン株などコロナ感染者の増加でロックダウン途中となっており、その影響は如何なものであろうか。ECBは今後も緩和を継続していくのか、限定的な期日へのコメントなどがあるのか注目となる。